第16回学術大会及び継続研修会 2号通信

日本 EMDR 学会第 16 回学術大会、

及びワークショップ(継続研修)のご案内

第 2 号通信 (参加者募集)

 盛夏の候、みなさまにはご健勝のこととお慶び申し上げます。

 さて、日本EMDR学会第16回学術大会、及びワークショップ(継続研修)の第2号通信をお届けします。

学術大会  テーマ:広がりと統合

内容 一般演題、教育講演、シンポジウム、特別講演

【教育講演】EMDR学会倫理綱領の解説と法的問題について〜事例の紹介を含めて〜(田邉 昇)

【シンポジウム】EMDRを用いた身体疾患へのアプローチ

【特別講演】「他者」としての交代人格と出会う事(岡野憲一郎)

日時 2021年9月23日(木・祝)9:10〜17:10(受付:8:30〜)
場所 オンライン(ライブ配信、及び一定期間のオンデマンド配信(9月30日正午〜11月1日正午まで))
定員 300名程度
学術大会参加資格 日本EMDR学会会員
非学会員枠のご案内 学術大会では非学会員の参加枠を20名設けています(参加資格は精神科医、心療内科医、小児科医、臨床心理士、公認心理師、臨床心理士・公認心理師養成大学院の学生)。非学会員の大会参加にはメール(info@emdr.jp)での事前審査の申込みが必要となります。氏名、住所、電話番号、所属、参加費内訳を明記の上、参加申し込みをお願いします。携帯メールをご使用の方は、emdr.jpからのメールを受信できるように必ず設定してください。審査の結果、参加の可否が決まってから、期日までにご入金をお願いします。振込期日までにご入金が確認できなかった場合、参加できません。当日参加は受け付けておりませんので、必ず、事前にお申込みください。

 

ワークショップ(継続研修)

「解離性障害の声とのワークに取り組む EMDRセラピストのための実践的ガイド」

講師 Dolores Mosquera (ドロレス・モスケーラ)先生
日時 2021年10月2,3日(土・日)16:00~22:00(受付:15:30〜)
場所 オンライン(ライブ配信、及び一定期間のオンデマンド配信(10月11日正午〜11月1日正午まで))
定員 300名程度
継続研修参加資格 日本EMDR学会会員(Weekend2修了者を優先します。参加希望のWeekend1修了者は、参加希望のみをinfo@emdr.jpまでご連絡下さい。9月3日時点で定員に余裕があった場合、申し込み順に参加の可否をご連絡しますので、その時点でご入金下さい。この場合、9月3日までの参加費でお申し込み頂けます。)

注:学術大会、継続研修のそれぞれが、臨床心理士、日本精神神経学会の継続研修、日本EMDR学会資格、更新ポイントとして申請されます。

 

 

参加申し込み

【承諾事項について】

 WEB開催の学術大会及び継続研修会においては、事例発表などの専門家としての守秘義務が求められる内容もあることをご理解ください。自分以外の第三者に内容が見えたり、聞こえたりすることのない環境で視聴すること、また、画面のスクリーンショット、キャプチャ、録音、録画等の記録は禁止されていることをご理解ください。これらに違反した場合には、会員資格の喪失に相当することに承諾の上お申し込みください。

【申込方法】

 参加申込みは終了しました

 表をクリックすると拡大します。

【振込先】

みずほ銀行 灘支店 491 普通 3024023
名義: 日本EMDR学会第16回学術大会

【期限】

早割申し込みの入金期限2021年9月3日(金)
学術大会の事前申込みの入金期限2021年9月10日(金)
継続研修、DVDのみの入金期限は2021年9月19日(日)
前もって、入室方法を連絡するため、入金期限以降は参加申し込みできません。

【キャンセル規定】

一旦支払われた参加費は、当学会側の事情により開催が中止となった場合を除き、理由の如何に関わらず返金できませんので、予めご了承ください。

【問い合わせ先】

〒673-1494 兵庫県加東市下久米942-1 
兵庫教育大学 発達心理臨床研究センター 市井研究室内
日本EMDR 学会事務局 
e-mail: info@emdr.jp

日本EMDR学会第16回学術大会
大会長  市井雅哉
副大会長 天野玉記

 


教育講演・シンポジウム・特別講演のご案内
9月23日(木・祝)

教育講演
EMDR学会倫理綱領の解説と法的問題について〜事例の紹介を含めて〜13:00-13:30
講 師: 田邉 昇(中村・平井・田邉法律事務所)
シンポジウム
EMDRを用いた身体疾患へのアプローチ 13:40-15:40

企画・司会・話題提供:上田英一郎(大阪医科薬科大学病院医療総合管理部)
話題提供:橋本幸子(トラウマケア専門カウンセリングルーム凪)
話題提供:吉田誠司(大阪医科薬科大学小児科)
指定討論:中口智博(名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学分野)

特別講演
「他者」としての交代人格と出会う事 15:50-16:50
特別講師:岡野憲一郎(京都大学大学院教育学研究科臨床心理実践学講座)
 1982年 – 東京大学医学部卒業
 1982年 – 東京大学精神科にて研修
 1986年 – パリ、ネッケル病院にフランス政府給費留学生として研修
 1989年 – オクラホマ大学精神科レジデント
 1990年 – メニンガー・クリニック精神科レジデント
 1994年 – カンザス州ショウニー群精神衛生センター医長
 1999年 – 博士(医学)(東京大学)
 2004年 – 国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科臨床心理学専攻教授
 2014年 – 京都大学大学院教育学研究科臨床心理実践学講座教授
単著
『外傷性精神障害—心の傷の病理と治療』岩崎学術出版社、1996年
『心のマルチ・ネットワーク—脳と心の多重理論』講談社、2000年
『解離性障害—多重人格の理解と治療』岩崎学術出版社、2007年
『新外傷性精神障害—トラウマ理論を越えて』岩崎学術出版社、2009年
『続 解離性障害』岩崎学術出版社、2011年
『脳から見える心—臨床心理に生かす脳科学』岩崎学術出版社、2013年
『恥と「自己愛トラウマ」—あいまいな加害者が生む病理』岩崎学術出
版社、2014年
   など多数

抄録

 私たち治療者は、解離性障害(DID)を有する来談者の交代人格とどのように出会うのだろうか?

 これは極めて基本的な問題であるにもかかわらず、治療者によりその対応はさまざまである。驚くべきことではあるが、現在においてもかなり多くの治療者はDIDには「取り合わない」という立場をとっているようである。また、たとえ「取り合った」としても、それを一個の主体としてではなく、人格の「断片」(R.Kluft, F.Putnamなど)、あるいは「部分」(van der Hartなど)とみなす識者も多い。1994年に発表されたDSM-IVでは、それまでの多重人格障害(MPD)に代わりDIDという呼び方が正式に採用された。その際DSM-IVの解離部門委員長D.Spiegelはこう述べた。「誤解してはならないのは、DIDの患者の問題は、複数の人格を持っていることではない。(満足な)人格を一つも持てないことが問題なのだ。」

 しかし、果たして交代人格は来談者の人格の部分にすぎないのだろうか? それとも個別の主体を持つ「他者」なのだろうか?

 この問いに対する臨床家たちの統一的な見解は得られていない。しかしそのことが、私たちがDIDを有する来談者の諸人格と本当の意味で出会うことをより一層難しくしているのではないだろうか。

 私は交代人格を「人格以下」とみなすのではなく、一個の主体として出会い、また人格相互の関係性を重んじるという立場を取りたい。したがって治療目標は統合ではなく協調(E.Howell)となることは言うまでもない。そしてあらゆる交代人格とのかかわりあいは、常にほかの交代人格たちの存在を意識しつつ行うという形をとるだろう。私はその姿勢がいわゆる「オープンダイアローグ」における「リフレクティング」に類似するものとみなすことが出来ると考える。


日本EMDR学会第16回学術大会プログラム
9月23日(木・祝)オンライン 9:00-17:10

表をクリックすると拡大します

 


 

ワークショップ(継続研修)のご案内
10月2,3日(土・日)16:00-22:00(スペインの日中時間に合わせての開催)

「解離性障害の声とのワークに取り組む EMDRセラピストのための実践的ガイド」

講師:Dolores Mosquera (ドロレス・モスケーラ:トラウマ・人格障害研究所所長)

講師紹介

 臨床心理学修士(スペイン)トラウマ・人格障害研究所(INTRA-TP)所長。EMDR Europeコンサルタント、ファシリテーター。世界各地でトラウマ関連障害、人格障害、解離に関するワークショップを展開。その領域での専門家として認知されている。

 重篤なトラウマ関連のケースへのEMDR適用を多数行っている。性暴力被害者のためのプログラム、パートナーに対する加害男性のためのプログラムに協力し、被害、加害、両者の立場から性暴力プログラムを共同で展開。人格障害、複雑性トラウマ、解離の著書多数。European Journal of Trauma and Dissociationの編集委員、Journal of EMDR Practice and Researchの委員、ESTDニューズレターの編集委員。2017年にはEMDR領域への優れた貢献が認められ、David Servan-Schreiber賞を受賞。2018年にはトラウマと解離領域における彼女の重大な功績が認められISSTD(国際トラウマ解離研究学会)特別会員に選出される。

 近著に「Working with Voices and Dissociative Parts A Trauma-Informed Approach」(今夏日本語訳、星和書店より出版予定)。

 本学会でのワークショップは2014年についで2度目。

抄録

 多くのセラピストが、解離性障害のクライエントとのセラピーワークに関する問題点を報告しています。最もやっかいなパーツとのワークはもちろんのこと、特に、治療計画の展開や、セッション構造、クライエントの内的葛藤の対処などがそれに当てはまるでしょう。パーツが過去のトラウマから抜け出せない場合には、セラピーにおいて様々な困難が広範に渡り、いとも簡単に現れてきます。この問題の大半は、クライエントの内的葛藤に関連しており、クライエントはそれを調整能力の不足や欠如、不信、敵意として表現します。EMDRを用いたセラピーワークではこれらの困難に対応することが求められ、同様に、EMDR手続きとテクニックに沿うようなスキルの発展も望まれます。

 本ワークショップでは、セラピストが解離性障害のクライエントを理解するのに役に立つ概念を紹介していきます。加えて、ワークの各段階に必要な様々なテクニックやツールをお示しできるでしょう。これを学ぶことで、臨床場面で起こる様々なタイプの問題と解離パーツに対して安全な介入が可能になるでしょう。また、解離性障害に特化して発展した概念化モデルとともに、治療計画を遂行するためのガイドも提供します。そのガイドを学ぶことで、解離性障害に共通するいくつかの困難にも対応可能になるでしょう(Mosquera, 2019)。

プログラム内容
1. 解離性障害のセラピーワークにおける主要概念
2. 治療計画の構造化手法
3. セッションを組織する手法
4. アダルトセルフを発達させる手法
5. 内的システムを探索し葛藤を理解するための構想
6. 複雑なパーツとのワークの方法

学習目標
参加者は、本講義の学習を通して、以下のことができるようになるでしょう。
1. 解離性障害とのワークにおける少なくとも5つの主要概念を説明する
2. 治療計画の構造化
3. セッションを組織するための見本を作成する
4. アダルトセルフ発達のための少なくとも5つの手法を説明する
5. 内的システムを探索する方法を説明する
6. 解離性障害に特化した事例概念化を行う

通訳:大澤智子(兵庫県こころのケアセンター)、菊池安希子(国立精神・神経医療研究センター)

 


 

オンデマンド配信について

 学術大会の教育講演、シンポジウム、特別講演、一部一般演題、継続研修は、オンデマンドにて学術大会9月30日正午〜11月1日正午まで、継続研修10月11日正午〜11月1日正午まで視聴することができます。視聴方法については参加者に直接ご連絡します。ポイント取得はオンデマンドでも可能ですが、日本EMDR学会の更新ポイントは11月末までの申請が必要です。

DVDのご案内

 学術大会の教育講演、シンポジウム、特別講演、一部一般演題、継続研修を収録したDVDを販売します。11月下旬を目処に個別に発送致します。学術大会、継続研修に不参加の方には大会抄録、継続研修資料も一緒にお送りします。DVDでは視聴のチェックができないためはポイント取得対象にはなりません

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