ベーシック・コンサルテーションについて

 ベーシック・コンサルテーション(以下BC)は、EMDRトレーニングの一部として実施されるコンサルテーションです。ですから、Weekend1, 2参加者のみが受けることができます。通常はトレーニングの実習グループ単位で、ファシリテーター兼コンサルタントから受ける形になります。

 日本EMDR学会認定のEMDR臨床家資格取得のためのコンサルテーションとは異なりますのでご注意ください。

BCの目的

 BCは、EMDRの基礎技能のスキルアップが目的です。適切なクライエント選択/見立ての基本/8段階の適正な実施等を中心に、自分の実践について具体的な指導を得ることが出来ます。参加者はできるだけ、自分の行ったEMDRのケースを出されることをお勧めします。自分のケースに対して、コンサルタントから具体的な指導を受けることが技術の向上に最も有効な方法だからです。

BCの必要時間

 BCはトータルで10時間必要とされます。Weekend1の受講後には2時間半のBCを2回で5時間のBCを受講し、Weekend2の受講後にも同様に5時間の受講を終えますと、認定EMDRトレーニングの修了証を発行します。なお、Weekend1終了後に5時間の受講がないと、Weekend2に申し込みが出来ません。

BCの定員

 BCは定員は10名までです。時間と人数の兼ね合いについては、参加者一人あたり15分以上かけるという計算があり、定員10人だと150分(2時間半)となり、2時間半のコンサルテーションを定員10名以下で開催するのがひとつの単位となっています。

BCの費用

 BCの費用は受講料に含まれています。1時間の参加料を2,000円とし、Weekend1,2それぞれ5時間ですので1万円が受講料の中のBCの料金ということになります。料金を既に払っているので、急な欠席などで受講権利が失効しないようにお気をつけてください。

BCの登録

 トレーニングの時の実習のメンバーがそのままBCグループになります。ファシリテーター兼コンサルタントが参加者全員が参加できるようにBC及び接続試験の日程調整を行います。トレーニング期間中に決めれたらいいですが、難しい場合はその後に参加者の皆さんとメールなどで連絡を取り合いながら日程調整をしていきます。可能な限り、このBCグループで受講するようにしてください。急な欠席などの際には他の方法でBCを受けなければなりませんが、なかなか難しいのが実情です。

 コンサルタントはBC開催の日程が決まり次第、大至急学会事務局に報告してください。その情報をもとに、学会事務局は電話会議システムの予約を入れたり、変更待ちの参加者が参加できないか調整にあたったりしていきます。

BCの変更について

 一旦申込をしていても予定が急に入ったなどの場合、BC開催初日の1ヶ月前までは1回に限り変更が可能です。変更時には、必ずコンサルタント及び学会事務局に連絡してください。この場合はBCを受講する権利は消失しません。他のBCのグループに変更して参加してもらうことは理論上可能です。しかし、現実には空きがなかったり、時間が合わなかったりで、なかなか決まるのに難儀しており、お待たせしているのが実情です。できる限り当初に登録されたBCを受講されることを強くお勧めします。

 変更が無事に決定しましたら事務局から連絡がありますので、新しく受講されるBCの担当コンサルタントとも連絡をとりながら参加してください。変更の場合は追加の費用はかかりません。

欠席などにより受講権利が失効した場合

 BC開催初日の1ヶ月前を切りますと、変更不可の状態になります。変更不可ということは、何らかの理由で参加できない場合には欠席扱いになるということです。欠席はもちろん、遅刻・早退で予定の時間が受講できなかった場合も不足した時間の受講権利は失効します。必要な時間数のBCを受けていないと、Weekend1修了の方は、Weekend2を受講することが出来ませんし、Weekend2修了の方は、トレーニング修了の認定がなされません。なので、不足した時間分のBCを何らかの形で受けなければならないという状況が生じます。

 受講権利が失効した場合、学会事務局の方でBCの手配は行っておりません。参加者自身が個別にコンサルタントにBCを依頼して日程や受講費用について交渉してください。個別に依頼する場合の費用はコンサルタントに委ねられており、学会のルールはありません。受講権利が失効した場合にはBCの受講が難しくなりますし追加費用もかかりますので、くれぐれも当初に登録されたBCを受講されることを強くお勧めします。

BC実施の方法

 BCはbizspeak電話会議システムを利用して実施されます。接続方法ですが、ベーシック・コンサルテーションの前にコンサルタントより連絡がはいり、電話会議につなぐための電話番号及び会議番号が知らされます。電話番号に電話をするとアナウンスが流れますので、その指示にしたがって、会議番号を入力して、最後に「#」を押しますと会議に参加できます。参加者全員が双方向で声のやりとりができます。

 東京03ではじまる番号に2時間半かける必要があり、電話代は参加者負担になります。携帯電話の通話料定額の方や、IP電話で通話料が比較的安い方はいいのですが、それ以外で電話料金の負担が気になる方向けの情報を書いたページもありますので参照してください。

 本番でうまく接続できないというトラブルを避けるために、コンサルテーションの日程の前に、接続試験をする日程を組むことがありますのでご協力ください。接続試験は参加者の接続を確認するだけのものですから15〜30分もあれば終わります。接続試験の時、事例を誰が出すのかなどを話し合ったりもします。

参加記録・証明書の使い方

 トレーニングの参加者には参加記録・証明書が作成されますが、実習を担当したコンサルタントが預かる形になります。BCが終わったときにコンサルタントの方から参加者に、修了済みのサインをして返送する流れになります。トレーニング中に封筒に返信先の住所・宛名を書き140円切手を貼った返信用封筒を作ってコンサルタントに渡してください。

 BCが実施された後、コンサルタントは修了の欄に「◯」を、欠席・遅刻・早退の場合は「欠席」「遅刻」「早退」と記入、署名欄にサインをし、コピーを2部作り、1部はコンサルタントが保管、1部はEMDR学会事務局に送り、原本は参加者に返信用封筒にて郵送します。

具体的な流れ

トレーニングの期間中にすること
  • 参加者の皆さんに角形2号封筒をお渡しし、参加記録・証明書を返送するための皆さんの住所を書いていただき、140円切手を貼った状態にして封筒をコンサルタントに提出してください。(BCが終わった段階で、参加者の参加記録・証明書に記録を記載して署名したものを参加者の元へ返送します)
  • 参加者の皆さんと連絡をとる手段について打ち合わせをします。参加者の皆さんのメールアドレスや携帯電話番号(固定電話でもよい)を教えていただきます。BCを実施するコンサルタントの連絡先もお伝えします。
  • 可能なら試験接続の日時、1回目のBCの日時、2回目のBCの日時もトレーニングの期間中に決めたいのですが、どうしても決めにくい場合には後日コンサルタントと参加者が連絡を取り合いながら決定していきます。
  • BCの日程が決まれば、速やかにコンサルタントは学会事務局に報告してください。
接続試験
  • BC本番の時にトラブルが起こらないように事前に電話会議システムにコンサルタントと参加者全員で接続して、無事つながるかテストをします。学会で契約しているbizspeakの電話会議システムを用いています。アクセス番号に電話し、アナウンスのあと会議IDを入力して「#」を押して会議室にはいります。事前にコンサルタントから接続に必要な情報は伝えられます。
  • コンサルタントは何らかの理由で参加者が接続できないという非常時の連絡手段を知らせておいてください(違う電話など)
  • 接続試験の時、事例を誰が出すのかなどを話し合うのもよいでしょう

電話会議ではしばしば誰かがノイズ源になり残る9名に不快な思いをさせることがあります。注意して欲しいのが、スピーカーホンはノイズ源になりやすいので使わないこと。スマホに付属のマイク付きイヤホンは、マイク部分が服などにすれてノイズが出やすい。周りでテレビがかかっていたり、洗濯機が回っていたりするとノイズ源になるので静かな環境でお願いします。本人にとっては気にならなくても、残りの9名はかなりの苦痛だったりするのでご注意ください。接続テストの時にコンサルタントがノイズについてもチェックして対処するとよいと思います。

臨床事例の提出
  • BCでは皆様からの事例提供があれば助かります。実際にEMDRを実施したケースがあれば、一番良い学びの材料になります。また、EMDRはまだ実施していなくても、このようなケースにEMDRを使ってみたいのだが…というご相談のようなケースを出していただく手もあるように思います。
  • EMDRを実施した自分の臨床事例についてコンサルテーションを受けることが、EMDR技術の向上の最も近道でもあります。
  • EMDRを実施したケースについては、ケースの概略(生育歴、主訴、病歴、トラウマの内容)、及び、テキストの実習ワークシートに記載するような項目全てを事前にお知らせください。つまり、アセスメントの情報、脱感作の情報、植え付けの情報、ボディスキャンの情報をできれば逐語で全ていただければ充実したコンサルテーションが可能になります。
  • コンサルテーションは、EMDRがうまくいったケースでも、うまくいかなかったケースでも、役立ちます。流れを詳細に見ながら、EMDRの手順について学んでいくことが大事です。
  • これからEMDRをやってみたいケースについては、生育歴、主訴、病歴、特にトラウマの内容などについて報告してください
  • それ以外にも、EMDRの手順やトレーニングで学んだ内容についてわかりにくい点を詳しく知りたい…など質問なども出してください
  • 参加者の臨床事例をコンサルタントに提出するに際しては個人情報の漏洩が起こらないように最新の注意を払う必要があります。「臨床事例の安全な送付方法」というページ等をもとにコンサルタントの指示に従って臨床事例の資料を送付してください。
  • 皆さんから送られた臨床事例の資料を、安全な形でコンサルタントが工夫をしてBC当日までに皆さんに提示いたします。提示の方法はコンサルタントによって違いがあります。
BC当日
  • 事前にコンサルタントから、電話会議の詳細について連絡があります。何日、何時、電話会議の電話番号、会議IDなど接続に必要な情報も書かれています。
  • BC当日はコンサルタントの指示に従ってください。途中で出席を確認したりします。
BC終了後
  • 参加者の皆さんからお預かりしている参加記録・証明書にコンサルタントが記録を記載して、お預かりしている返信用の封筒に入れて返送します。
  • コンサルタントは参加記録・証明書のコピーを学会事務局に提出します。
  • 学会事務局はそれを受けて記録を残したり、Weekend2後のBC終了だと認定EMDRトレーニングの修了証を発行します。

移行措置

 2013年3月までのPart1トレーニングを受講した方には、2017年12月末までを移行期間とします。移行期間中は従来のトレーニング形式による受講とみなし、ベーシック・コンサルテーションを受講する必要はありません。Weekend2トレーニングの終了と同時に、ベーシック・コンサルテーションなしでEMDRトレーニング修了証が得られます。Weekend2受講料もコンサルテーション費用を含まない金額(消費税は加算されます)となります。

 2017年末を過ぎると移行措置の対象とはならず、修了証取得のためには、10時間のベーシック・コンサルテーションの受講とそのための費用が必要となります。詳細は学会事務局にお問い合わせください。

お問い合わせ

  • BCのグループに入っている方は、担当のコンサルタントにお尋ねください。
  • BCグループに入っていない方は、日本EMDR学会事務局 (ページ下部を参照)までお問い合わせください。

希にですが、参加者とコンサルタントとの間での連絡のトラブルが起きることがあります。コンサルタントの連絡が遅すぎて参加者が不安になったとか、メールアドレスのミスなどのでメールが届かないとかです。もし、参加者の方がコンサルタントとの連絡に問題があったり、何か不安やトラブルがありましたら、遠慮なく速やかに事務局にメールで相談をしてください。

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