第20回学術大会及び継続研修会 1号通信
第1号通信(演題募集)
新年明けましておめでとうございます。2025年も早1ヶ月が過ぎましたが、みなさまにはご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、今年7月に第20回学術大会を20回という節目の記念大会として「これまで」と「これから」を大会テーマに対面形式にて開催いたします。午前に一般演題、大会長講演、教育講演を、午後に、2つのシンポジウム、総会を予定しています。
翌日からの2日間は世界的にご活躍で、摂食障害へのEMDRのスペシャリストであるNatalia Seijo PhD(ナタリア・セージョ)先生による「摂食障害へのEMDR」継続研修を対面で行います。
日時 | 2025年7月19日(土)学術大会(一般演題、大会長講演、教育講演、シンポジウム、総会*1) 午前9時半~18時(予定) 7月20~21日(日・月祝)継続研修「摂食障害へのEMDR」 継続研修は午前9時~17時(初日、2日目は受付8:30、開始9:00)。 継続研修初日の後に懇親会を予定しています。 |
場所 | 立命館大学いばらきキャンパス 〒567-8570 大阪府茨木市岩倉町2-150 https://www.ritsumei.ac.jp/accessmap/oic/ |
継続研修講師 | Natalia Seijo PhD(ナタリア・セージョ) EMDR Europeトレーナー、Ns Center Psychotherapy and Traumaクリニック・ディレクター(スペイン在住) |
通訳 | 大澤智子(兵庫県こころのケアセンター) 菊池安希子(武蔵野大学) |
参加費 | 学会のみ 8,000円 継続研修のみ33,000円(3日間通して40,000円) |
受講資格 | 日本EMDR学会会員(初日の学術大会のみ、非会員枠(参加費9,000円)、非会員学生枠(参加費7,000円)を設定します。)いずれも予価となります。 |
定員 | 300名(対面のみの実施です。DVD(学術大会版、継続研修版)を作成します。学術大会には一部収録されない一般演題があると思われます。継続研修では、クライエントのビデオ、実習部分は収録されません。) |
注1:総会はお昼休みに開催するのが通例となっておりましたが、会場の都合により、教室での飲食ができませんので、夕方の開催となります。昼食・夕食の用意は学会では致しませんのでご了承下さい。
注2:継続研修は臨床心理士、日本精神神経学会の継続研修としてポイント申請の予定です。
- 大会長講演:EMDRと歩んだ日々:「これまで」と「これから」
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演者:市井雅哉(日本EMDR学会理事長、兵庫教育大学)
1990年の東京での勉強会(熊野宏昭先生主催)が私のEMDRとの出会いだった。そして、1995年の阪神淡路大震災の被災者にEMDを適用したところから私のEMDRとの旅は始まった。その年、福岡でShapiro博士の前で症例報告をし、アメリカでのトレーニングに招待された。1996年以降、日本でのトレーニングをAndrew Leeds博士らとともに開催し続けた。その間、琉球大学、兵庫教育大学で教育、研究を細々と続けてきた。2006年から学術大会を積み重ねて、20回大会を迎える。2007年からは自身がトレーナーとなり、日本語での研修を主導している。2013年にはNHK ETV特集の影響で、ニーズの爆発的な高まりを見せた。2019年にはShapiroの逝去という悲しい出来事があったが、再定義も含めて盛んな議論が交わされている。一方で、甲南大学の前田多章先生との共同研究がここ数年実を結びつつある。心的外傷への関心の高まりもあって、EMDRの人気は留まるところを知らない現状がある。そして、次世代へとさまざまな遺産を継承していく時期を今迎えている。
- シンポジウム1 EMDRがもたらすもの:「これまで」と「これから」
- 企画・司会:市井雅哉(兵庫教育大学)
シンポジスト:大河原美以(大河原美以心理療法研究室)、
杉山登志郎(福井大学)、仁木啓介(ニキハーティーホスピタル)企画趣旨:2008年発刊の「こころの臨床アラカルト 特集 EMDR―トラウマ治療の新常識」の中での座談会のメンバーを再集結します。3名の先生は、それぞれ、心理学(家族療法)、児童精神科、精神科の領域で、また、大学や地域の病院という現場で、先進的にEMDRを、子ども、成人、犯罪被害者、発達障害児・者等に、独自の工夫をこらしながら、適用し、研究や普及をリードされてきました。改めて座談会原稿を読み返してみて、16年前とは思えない新しさ、その先見性を感じました。また一方で、決して16年前に指摘されていた課題が十分に解消されていないことも感じざるを得ません。3名の先達のEMDRとのこれまでの取り組みをご紹介頂き、今後のEMDRに関する課題を指摘頂きたいと思います。
- シンポジウム2 EMDRの治療メカニズム解明に向けて
- 企画・司会:天野玉記(清章福祉会)
シンポジスト:市井雅哉(兵庫教育大学)、柿木慎吾(兵庫教育大学大学院)、
南川華奈(芦屋カウンセリングルーム Root)、前田多章(甲南大学)企画趣旨:EMDRの治療メカニズムの研究は、世界中で進められかなり解明されつつあるが、その中でも日本での最新の研究は目覚ましく、兵庫教育大学と甲南大学の研究チームが合同で研究し、新しい知見をどんどん蓄積しつつある。そこで、治療メカニズム解明シリーズ第二弾としてシンポジュウムを企画した。2年前に第一弾として、EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing)の“D(Desensitization:脱感作)”について生理学的に「なぜトラウマ記憶を消去できるか?」について深堀したが、今回はいよいよ“R(Reprocessing:再処理)”のメカニズムについて議論を進めていきたい。
- 教育講演 守秘義務:EMDR実践者が押さえておくべき法的ポイント
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講師:田邊昇(当学会顧問弁護士 中村・平井・田邉法律事務所)
- 継続研修:摂食障害へのEMDR
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継続研修講師:Natalia Seijo先生。複雑性トラウマ,解離,摂食障害を専門とするスペイン人心理学者。EMDRトレーナー,Ns Center Psychotherapy and Traumaのクリニック・ディレクター,El cuerpo tiene memoria「身体には記憶がある」 (Penguin, 2024)の著者。国際的なワークショップや学術会議での講演多数。
摂食障害は,トラウマ,アタッチメントの問題,解離に根ざした複雑な状態であることが多いです。今回のワークショップでは,これらの困難を理解するための体系的なアプローチを提供し,EMDRを用いた実践的でエビデンスに基づいた戦略を提供します。参加者は,トラウマの解消,ボディイメージの歪み,情動調節などの中核的な問題に取り組むことを学びます。
このワークショップは,理論,症例研究,実践的なエクササイズを統合し,クライアントを効果的にサポートするためのツールを専門家に提供します。
【1日目:摂食障害の基礎 7月20日(日)】
セッション1:鑑別診断
摂食障害の主な特徴を認識する
総合的な診断能力を身につけるセッション2:安定化の段階
拒食型と過食型における安定化の理解
内的システムと解離されたパーツの探索セッション3:防衛機制
よくある防衛機制の特定
これらの機制に治療的に対処するための戦略セッション4:アタッチメントの力動
回復における治療関係の役割
アタッチメントスタイルと家族力動の探索
【2日目:アドバンス・トピックス 7月21日(月・祝)】
セッション1:トラウマと摂食障害
トラウマと摂食障害の関連の検証
効果的なトラウマに焦点化した介入セッション2:解離
身体的解離と身体表現性の解離の理解
解離に対処するための実践的アプローチセッション3:ボディイメージプロトコル
ボディイメージの歪みへの対処
拒絶されたセルフとの取り組みセッション4:空虚感と統合
摂食障害における空虚感の探索
身体への意識を高め,正常化する注:各セッションには,理論,症例研究,実践的な洞察のための演習が含まれています。
- 学術大会演題募集
- 一般演題を募集します。発表時間は口演30、60分、ポスターの3コースを予定しています。テーマはEMDRの臨床、研究に関するもの。氏名(連名発表者も含む)、所属、タイトル、希望コース、概要(300字)、キーワード(5つまで)を2025年3月7日(金)までにMailにて下記の事務局までお送り下さい。審査の上、こちらから発表の可否、発表方法等ご連絡を差し上げます。都合でお申し込み通りの発表形式にならない場合もございます。ご了承下さい。DVD収録の可否は発表者がお選び頂けます。
演題募集延長:3月31日(月)23:59〆切に延長いたしますまた、発表者は5月7日(水)までに抄録(2000~2600字)をご作成下さい。抄録の様式は以下のURLよりダウンロードしてください。
https://www.emdr.jp/wordpress/wp-content/uploads/2bcad571e36580b0286a3108b0ac797a.docx
- 今後の予定
- 第2号通信を2025年5月中旬頃にお届けする予定です。具体的なプログラム内容をお届けします。参加申込みを2号通信到着以降、6月20日(金)まで受け付けます。申込み方法は第2号通信をご参照下さい。
- 問い合わせ先
- 〒673-1494 兵庫県加東市下久米942-1 兵庫教育大学 発達心理臨床研究センター 市井研究室内
日本EMDR 学会事務局 e-mail: info@emdr.jp