第12回 EMDR Part1トレーニング
《市井雅哉による日本語でのトレーニング》
晩秋の頃、みなさまにはご清祥のこととお慶びもうしあげます。 虐待、犯罪被害、DVとトラウマからの回復は今心理療法の最も関心の高い分野と言っても過言ではありません。EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)は外傷的な記憶を短期間で処理できる画期的な方法で、各国が発表しているPTSDに対する治療ガイドラインに効果の証明された方法の1つとして推奨されています。EMDRの日本における第12回目のトレーニングを、創始者F・シャピロ博士が主宰するカリファルニアのEMDR研究所の協力のもと、開催いたします。二瓶社から昨年6月に出版されたシャピロ博士のテキストも大変好評に売り上げを伸ばしており、関心の高さが伺えます。 講師は同研究所のシニア・トレーナーであり、兵庫教育大学発達心理臨床研究センタートラウマ回復支援研究分野教授の市井雅哉が勤めます。急性、慢性のPTSD、恐怖症、ストレス、不安障害、うつ病の査定と治療を得意としています。20年の臨床歴を持つ臨床心理士です。現在、日本EMDR学会理事長、日本ブリーフサイコセラピー学会理事、日本行動療法学会の編集委員を務めています。これまでにEMDRに関して日本心理臨床学会、日本ブリーフサイコセラピー学会、日本行動療法学会、日本カウンセリング学会、日本心身医学会、日本外来精神医学会、日本バイオフィードバック学会、日本トラウマティックストレス学会、日本催眠学会、日本EMDR学会、日本健康心理学会等での招待講演講師、ワークショップ講師、シンポジスト等を務めてきました。今回は、一部のビデオを除いて、日本語で実施されるので理解が高まります。 このPart 1トレーニングの3日間全てのセッションに参加なさった方は、カリフォルニアのEMDR研究所に登録されます。また、日本EMDR学会の参加証が発行されます。日本EMDR学会とEMDRIAへの入会資格も得られます*。 第12回 EMDR Part1 トレーニング日程
●EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)は、フランシーン・シャピロ博士がPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療のために1989年に発表した心理療法で、迅速かつ効果的な方法です。APA(アメリカ心理学会)、ISTSS(国際トラウマティックストレス学会)、英国保健省、イスラエル政府、イタリア政府もPTSDの治療ガイドラインにEMDRを載せています。最近では、EMDRの適用範囲は、多くの不安、うつといった精神疾患から疼痛といった身体疾患までより広くなっています。その過程で用いられる眼球運動が、情報処理モデルにおける神経生理学的活動を刺激することで外傷的な記憶の再処理を引き起こすようです。 ● シャピロ博士はカリフォルニア州パロアルトにあるMRI(Mental Research Institute)の主任研究員、EMDR研究所の所長、人道支援のNPO組織EMDR-HAPの代表、The American Academy of Experts in Traumatic Stress の理事、Traumatologyの編集委員を勤めています。30以上のEMDR関連の著作があり、世界中でトレーニングを行っています。 ●研修は大きく、講義と実習に分かれています。講義は市井雅哉による一斉講義ですが、実習では参加者は2~3人一組で役割を交代しながら実習をします。9~10人に1人の割合でファシリテーターが付き、実習をスーパーバイズします。この体制は、実習場面での急速な心理的変化に適切に対応するためのものです。Part1トレーニングの修了で単回のPTSDや単一恐怖などに対応でき、Part2トレーニングまで修了すると複雑性PTSD、社会恐怖や人格障害などにも柔軟に対応できるようになります。Part2トレーニングの受講は規定により、Part1修了後、一定期間の臨床実践(3ヶ月以上)を経てからが望ましいとされています。したがって、今夏(8月2-4日、東京)開催されるPart2トレーニングにちょうど参加することができます。 ● ファシリテーター:大澤智子(兵庫県こころののケアセンター)、太田茂行(生活心理相談室ナヌーク室長)、北村雅子(つくばトータル・ヘルスプラザ、川越心理研究相談所)、白川美也子(国立天竜病院)、田中究(神戸大精神科)、本多正道(本多クリニック)らが実習をスーパーバイズします。 申し込み
|