第9回EMDR Part1トレーニング
新緑や花々が目に鮮やかな今日この頃ですが、みなさまにはご清祥のこととお慶びもうしあげます。 トラウマは現在のキーワードの1つのように使われ、去る3月の神戸でのトラウマティックストレス学会第2回大会では、いろんなセッションで成人、子どもへのEMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)の適用の事例が聞かれました。この外傷的な記憶を処理できるEMDRの日本における第9回目のトレーニングを、創始者F・シャピロ博士が主宰するカリファルニアのEMDR研究所の協力のもと、今年も開催いたします。名称が一昨年までのレベル1からPart1に変わっていますが、内容は同じものです。 講師は同研究所のシニア・トレーナーであるアンドルー・リーズ博士で、急性、慢性のPTSD、不安障害、解離性障害、嗜癖行動、うつ病、および対人関係カウンセリングの診断と治療を専門としています。25年間カリフォルニアで臨床心理士として個人開業しており、電子ジャーナルのTraumatologyの編集委員、EMDR研究所のディスカッションリストのモデレーターを勤めています。日本を含め欧米各国で60以上のトレーニングを手がけ、またフランス語も堪能です。今回で日本でのトレーニングも7回目を迎え、日本の文化的背景への考慮も深まっています。 このPart1・トレーニングの3日間全てのセッションに参加なさった方は、カリフォルニアのEMDR研究所に登録されます。また、Part2まで修了された時点で、同研究所発行のEMDRトレーニング修了証が送付されます。
第9回 EMDR Part1・ トレーニング日程
●EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)は、フランシーン・シャピロ博士がPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療のために1989年に発表した心理療法で、迅速かつ効果的な方法です。APA(アメリカ心理学会)、ISTSS(国際トラウマ研究学会)もPTSDに対するEMDRの効果を実証されたものとして評価しています。最近では、EMDRの適用範囲はより広くなっています。その過程で用いられる眼球運動が、情報処理モデルにおける神経生理学的活動を刺激することで外傷的な記憶の再処理を引き起こすようです。Part1トレーニングの修了でPTSDや単一恐怖などに対応でき、Part2トレーニングまで終了すると複雑性PTSD、社会恐怖や人格障害などにも柔軟に対応できるようになります。 ● シャピロ博士はカリフォルニア州パロアルトにあるMRI(Mental Research Institute)の主任研究員、EMDR研究所の所長、人道支援のNPO組織EMDR-HAPの代表、電子ジャーナルのTraumatologyの編集委員を勤めています。30以上のEMDR関連の著作があり、世界中でトレーニングを行っています。 ●理論編ではリーズ博士による講義を一斉にうけますが、実習場面では参加者は2~3人一組で役割を交代しながら実習をします。9~10人に1人割合でファシリテーターが付き、実習をスーパーバイズします。この体制は、実習場面での急速な心理的変化に適切に対応するためのものです。 ●Part2トレーニングの受講はPart1修了後、一定期間の臨床実践(6ヶ月以上)を経てからが望ましいとされていますので、今夏続いて開催されるPart2トレーニングには参加できません。
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