2004年4月に行われた日本嗜癖行動学会主催のEMDRトレーニングを受講され、日本EMDR学会によるトレーニングの修了の認定を受けたいと希望される方へ


 日本嗜癖行動学会主催のEMDRトレーニング
 日本嗜癖行動学会主催により2004年4月9日〜11日に行われましたEMDR Part 1トレーニング、及び2004年4月23日〜25日に行われましたEMDR Part 2トレーニングに関しまして「EMDR国際協会(以下EMDRIA)認定の公式トレーニング」と掲げられ開催されました。

 EMDRIA Approved Commercial Trainerであるマンフィールド博士を迎えたEMDRトレーニングであり、内容的には充実した素晴らしいものが行われたと認識しています。

 EMDRIA認定ではないという事実
 しかし、この度の日本嗜癖行動学会主催のEMDRトレーニングは「EMDRIA認定」と謳われていますが、残念ながらEMDRIA認定のEMDRトレーニングにはなりません。これはEMDR Network JapanよりEMDRIAに対して確認しております。

 また、このトレーニングの開催にあたりEMDR Network Japanの認定を受けるための条件は受け入れられず、そのためEMDR Network Japanの認定も得られていません。

 素晴らしいEMDRトレーニングが行われたとはいえ、残念ながら、結果としては非公認のEMDRトレーニングであったという公式見解をEMDR Network Japanとしては表さざるを得ません。

 日本におけるEMDRトレーニングに関する認定について
 この度の状況を理解するためには、EMDRトレーニングを誰がどのように認定するのかという仕組みを説明しておく必要があります。

 日本におけるEMDRトレーニングの基準及び認定はEMDR Network Japanが行い、これらに関してEMDRIAが直接関与することはありません。

 日本国内に於いてはEMDR Network Japan認定のEMDRトレーニングのみが米国のEMDRIAをはじめ諸各国のEMDR関連組織に認められ通用する公式なトレーニングであるという位置づけになります。これは、EMDR Network JapanのみがEMDRトレーニングを行えるということを意味するのではなく、他の個人や団体が一定の基準を満たしたEMDRトレーニングを行うにあたり認定を与えていくという役割も持っているということを意味しています。

 こうした状況はヨーロッパでも同じ動きがあり、EMDR Europeという組織がヨーロッパにおけるEMDRトレーニングや各種資格・認定に関する基準及び認定を行っており、EMDRIAはヨーロッパにおけるEMDRトレーニングには直接関与することはないようです。

 EMDR Network Japan認定が得られなかった理由

 EMDR Network JapanではPart 1とPart 2の間は6ヶ月以上の期間を開ける必要があるというルールでトレーニングを運営してきました。このルールは明文化されたものではありませんでした。日本嗜癖行動学会主催のEMDRトレーニングは、我々との連絡・調整なしに企画されたためかPart 1及びPart 2の連続受講が可能な形で企画されています。

 EMDR Network Japanとしては、マンフィールド博士の資格や経歴からこの度のトレーニングは大変質の高いトレーニングであることを認識し、基本的にはトレーニングを承認し支援する方向で検討を始めたのですが、Part 1とPart 2の連続受講という形を受け入れるのは困難でした。Part 1とPart 2の間の期間をどのようにするか理事会で検討し、最終的に「Part 1とPart 2の間は最低3ヶ月以上の期間が必要である」との結論を出し、総会にて承認され決定されました。

 ただし、日本嗜癖行動学会主催のEMDRトレーニングを認定する目的で、この度に限り特別な措置を検討し、その条件を受け入れてもらえればEMDR Network Japanとして認定するという方針も同時に理事会で検討され、総会で承認されました。その条件は、

  • Part 1とPart 2の連続受講者に対しては、終了時点ではPart 1の資格のみを認める。
  • Part 1とPart 2の連続受講者が、その後EMDR Network Japanが開催している地方勉強会(東京、東海、関西、沖縄)に6回以上の参加を持ってPart 2終了と認める
  • 参加者の資格は厳密にEMDR Network Japanの基準にあわせてもらう
  • 参加者の資格確認、評価用紙の提出、認定証のひな形の提出

というものでした。しかし、残念ながら日本嗜癖行動学会はこの条件は受け入れられないと拒みました。事態を憂慮したEMDRIAからも、EMDR Network Japanの承認を受けなければEMDRIA認定にもならないし、EMDR Network Japan認定にもならないので是非再考することを勧めるという勧告がなされましたが、結局、条件を受け入れることはないままにトレーニングは開催されました。

 この度の残念な状況は手続き上の問題と言えます。例えば、米国のF-1レーサーが日本国内において、国際運転免許証も日本の運転免許証も所有せずに公道を運転すれば法律違反です。本人の運転の腕が素晴らしいかどうかと言うこととは違った問題が存在するわけです。

 同様にマンフィールド博士を講師とした日本嗜癖行動学会主催のEMDRトレーニングは、質的には素晴らしいトレーニングが開催されたと認識しています。しかし、EMDRの健全な普及のために用意されているルールや諸手続というものを無視しては、秩序あるEMDRの普及は望めません。

 EMDR Network Japanによるトレーニングの修了の認定のための特別措置について
 EMDR Network Japanとしては主催者から必要な事前情報が与えられなかった参加者が、EMDR Network Japanによるトレーニングの修了の認定を受けられず困難な状況に立たされている状況について憂慮しております。また実際に、このトレーニングを終了された方々からEMDR Network Japanによるトレーニングの修了の認定を受けたいという要望も寄せられています。そこで、EMDR Network Japanとしては、以下の点に鑑みて理事会で検討を行いました。

  • マンフィールド博士の経歴・資格などからトレーニングの質が高いことは明らかである
  • 参加者はこのトレーニングがEMDRIAの承認を得ていないという事実を事前に知ることができなかった
  • 参加者がこの度の混乱で不利益を被るという事態を可能な限り回避したい

このような理由から、EMDR Network Japanの理事会で検討の結果、以下のような特別措置をこの度に限り実施することにしました。

  • EMDR Network Japanのトレーニングの資格基準に合致する参加者を対象に行う。
  • 日本嗜癖行動学会主催のEMDRトレーニングを修了したことを証明する書類の提出が必要。
  • Part 1を終了したものには、EMDR Network JapanからPart 1修了の参加証を発行する。
  • Part 1を3ヶ月以前に終了していた者がPart 2を修了した場合、EMDR Network JapanからPart 2修了の認定証を発行する。
  • Part 1及びPart 2を連続受講した者に関しては、Part 1修了の参加証を発行する。その後、EMDR Network Japanが行う地方勉強会(東京、東海、関西、沖縄)に6回以上参加をもってPart 2修了の認定証を発行する。
  • この度の措置は参加者自らEMDR Network Japanに自己申告して頂く必要がある(自動的に処理される措置ではない)。
  • この度の措置は、今回限りの特別措置である。

 具体的には条件に該当し、EMDR Network Japanによるトレーニングの修了の認定の特別措置を希望される方は、以下のURLのEMDRトレーニング認定特別措置申込用紙に必要事項をご記入の上、日本嗜癖行動学会主催のEMDRトレーニングを終了したことを証明する書類のコピーを添えEMDR Network Japan事務局まで申し込んでください。日本嗜癖行動学会主催のEMDRトレーニングを終了された方のなかで、EMDR Network Japanのトレーニング参加の資格基準を満たしており、EMDR Network Japanの認定を必要とされる方には、参加証あるいは修了証を発行いたします。

 EMDR Network Japanの認定を受けるだけでも構いませんし、EMDR Network Japanに入会して頂き、ニュースレターの送付、継続研修会、地方勉強会、メーリングリストなどのサービスをご利用頂くこともできます。

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