第19回 EMDR Part1トレーニング

 初冬の頃、みなさまにはご清祥のこととお慶びもうしあげます。

 虐待、犯罪被害、DVとトラウマからの回復は今心理療法の最も関心の高い分野の一つと言えるでしょう。EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)は外傷的な記憶を短期間で処理できる画期的な方法で、世界各国、各地域、団体が発表しているPTSDに対する治療ガイドラインに効果の証明された実証的な方法の1つとして推奨されています。2007年に発刊された学術雑誌Journal of EMDR Practice & Researchは、現在Psychlitにも収録されています。EMDRの日本における第19回目のトレーニングを、創始者F・シャピロ博士が主宰するカリファルニアのEMDR研究所の協力のもと、開催いたします。二瓶社から出版されたシャピロ博士の2冊の著作も売り上げを伸ばしており、2008年6月に星和書店から発刊されたこころの臨床アラカルトのEMDR特集号も好評を博しています。

 講師は同研究所のシニア・トレーナーであり、兵庫教育大学発達心理臨床研究センタートラウマ回復支援研究分野教授の市井雅哉が勤めます。急性、慢性のPTSD、恐怖症、ストレス、不安障害、うつ病の査定と治療を得意としています。約22年の臨床歴を持つ臨床心理士です。現在、日本EMDR学会理事長、日本行動療法学会、EMDRIAの編集委員を務めています。これまでにEMDRに関して日本心理臨床学会、日本ブリーフサイコセラピー学会、日本行動療法学会、日本認知療法学会、日本カウンセリング学会、日本心身医学会、日本外来精神医学会、日本バイオフィードバック学会、日本トラウマティックストレス学会、日本催眠学会、日本臨床催眠学会、日本EMDR学会、日本健康心理学会、WCBCT(世界行動療法認知療法会議)、韓国EMDR協会での招待講演講師、ワークショップ講師、シンポジスト等を務めてきました。

 このPart 1トレーニングの3日間全てのセッションに参加なさった方は、カリフォルニアのEMDR研究所に登録されます。また、日本EMDR学会の参加証が発行されます。日本EMDR学会とEMDRIAへの入会資格も得られます*。

 

日   程:
2009年 3月6日(金)、7日(土)、8日(日)の3日間
金曜日9:00受付 9:30開始 17:00終了(昼食休憩 75分、昼食は各自)
土、日曜日 9:00開始 17:00終了(昼食休憩 75分、昼食は各自)
参加資格:
下記参加資格をご覧ください。
定  員:
54 名程度 (資格を満たされた方の先着順に受け付けます)
参 加 費:
50,000円(トレーニングマニュアル代を含む)
宿泊代金は含みません。宿泊の手配は各自で願います。
受  付:
2009年1月13日(火)~2009年2月6日(金)<但し、定員に達した時点で締め切ります。>
会    場:
兵庫県私学会館
〒650-0012 神戸市中央区北長狭通4丁目3-13
TEL (078)331-6623 FAX (078)321-5968

●参加資格・・日本EMDR学会(旧EMDR-Network JAPAN)が定めた参加資格
医師・・・免許取得後、精神科・心療内科・小児科などの領域で2年以上の臨床経験を有する方。
心理職・・臨床心理士資格取得者。

●EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)は、フランシーン・シャピロ博士が1989年に発表したトラウマ的な記憶を処理できる心理療法です。APA(アメリカ心理学会)、ISTSS(国際トラウマティックストレス学会)、英国保健省、イスラエル政府、フランス政府、オーストラリア政府もPTSD (心的外傷後ストレス障害)の治療ガイドラインにEMDRを載せています。最近では、EMDRの適用範囲は、多くの不安、うつといった精神疾患から疼痛といった身体疾患までより広くなっています。その過程で用いられる眼球運動(または、他の両側性の刺激)が、情報処理モデルにおける神経生理学的活動を刺激することで外傷的な記憶の再処理を引き起こすようです。

●シャピロ博士はカリフォルニア州パロアルトにあるMRI(Mental Research Institute)の主任研究員、EMDR研究所の所長、人道支援のNPO組織EMDR-HAPの代表、The American Academy of Experts in Traumatic Stress の理事、Traumatologyの編集委員を勤めています。30以上のEMDR関連の著作があり、世界中でトレーニングを行ってきました。

●研修は大きく、講義と実習に分かれています。講義は市井雅哉による一斉講義ですが、実習では参加者は2~4人一組で役割を交代しながら実習をします。9人程度に1人の割合でファシリテーターが付き、実習をスーパーバイズします。この体制は、実習場面での急速な心理的変化に適切に対応するためのものです。Part1トレーニングの修了で単回のPTSDや単一恐怖などに対応でき、Part2トレーニングまで修了すると複雑性PTSD、社会恐怖や人格障害などにも柔軟に対応できるようになります。Part2トレーニングの受講は規定により、Part1修了後、一定期間の臨床実践(3ヶ月以上)を経てからが望ましいとされています。EMDR研究所は、この間に5回のコンサルテーションを義務づけておりますが、日本での基準の適用については現在検討中です。コンサルテーションは個人やグループ、電話を利用した形態などがあります。詳細はpart1トレーニングで案内します。次回のpart2トレーニングは2009年夏(2009.8.7-8.9)に名古屋にて開催予定です。

●ファシリテーター:大澤智子(兵庫県こころののケアセンター)、太田茂行(生活心理相談室ナヌーク室長)、北村雅子(つくばトータル・ヘルスプラザ、川越心理研究相談所)、本多正道(本多クリニック)、仁木啓介(ニキ・ハーティー・ホスピタル)、福井義一(東海学院大学)らが実習をスーパーバイズします。

● 申し込み方法:申込書をダウンロードして(Wordのdocファイル形式です)、申込用紙を各自で印刷してください。所定事項をすべてご記入の上、返信用封筒としてご自分の住所、お名前を記入なさった定形最大封筒(三つ折りのA4用紙が入るサイズ)に80円切手を貼って同封し、ご送付ください。2009年2月6日の消印有効とさせていただきます。資格審査の後、受講いただける方には会場の地図、入金方法等を返送しますので、その指示に従い、参加費をお払いください。入金を確認した時点で、予約参加者証をお送りいたしますので、当日会場にお持ちください。1週間以上入金が遅れるとキャンセル扱いとなることもあります。

●申し込み・問い合わせ先: 下記で承ります。会場への直接のお問合わせはご容赦ください。

主催:日本EMDR学会(旧EMDR-Network JAPAN)* 
事務局:〒673-1494兵庫県加東市下久米942-1 兵庫教育大学 市井研究室
     
TEL&Fax: 0795-44-2278 e-mail: info@emdr.jp URL: www.emdr.jp

*日本EMDR学会 はEMDRIA(国際EMDR学会)から日本でのEMDRに関する研修認定、資格認定を行う組織として認定されました(2004.2.26)。
サブコンテンツ

このページの先頭へ